社員ブログ

8月27日 夏の思い出と御馳走

ラジオから渋滞情報が流れている。
窓の外を見ようと首を伸ばせば、ノロノロと進む車の列が果てしなく続いている。
「わーいこっちはスイスイだ~!」と、弟と妙に盛り上がる私は小学2年生か3年生であったか。
父の実家へ帰省するのは毎年決まってお盆明けから。
Uターンラッシュを尻目に北へ北へと車は走る。
ワンボックスの後部座席を倒して布団を持ち込み、父と母の運転で夜通し走る。
ゴトゴトと車に揺られながら眠り、目が覚めるとそこは都会の喧騒を離れ別世界になっている事が、不思議でもあり楽しかったのを覚えている。
道中布団に寝っころがりながら空をぼんやり眺めたり、トランプをしたりおしゃべりしたりするのに飽きると、車の振動で疲れてきた体を起こし、首を伸ばして窓の外の景色を見る。
去年も一昨年も通った筈であろうその道は、幼い私にとっては毎回新鮮な景色であった。
しかし何せ遠い。
初めは楽しくてワクワクしていても、何時間も車の中では飽きてくる。
しかも年齢の近い弟と些細なことで喧嘩も始まり、その度に叱られる。
あとどれ位で着くのか、おじいちゃんちはまだなのかと飽き飽きした気持ちで外の景色を見ようと首を伸ばせば、道の両側に目にした事もないような鮮やかな緑色が出現していた。
衝撃的な青々とした風景!
それは心が震える程に美しく、思わず大きな声で叫んでいたのだ。
「わぁーーーっ、見て!!綺麗な芝生!!!」と。
・・・ぶはははっ!これはね、田んぼだよ。と両親は可笑しくてたまらないと言った様子で大笑いしている。
悔しい事に、さっきまで一緒に飽き飽きしていた弟まで両親と一緒になって笑っているではないか。
姉弟喧嘩で怒られた憂さ晴らしのように、したり顔でばーか!とまで言っている。
弟にムカつきながらも、田んぼがこんなに広大な土地に展開されている事、夏場は芝生の様に青々としている事、そしてこんなに美しい色の景色があると言う事を知り、田園風景の美しさに人生初であろう感嘆の声を上げた瞬間だと言うのに、両親+弟の爆笑でシュンとなるしかなかった。
ちぇっ、笑わないでよ、芝生に見えたんだよぉ・・・とは心の声(笑)

今、田んぼが身近な場所で暮らすようになり、夏、青々とした稲が風に揺られる頃になると、子供たちに「わぁ、きれいな芝生だね?」と冷やかされながらも、あの時見た、まるで別世界のような美しい田んぼの風景と、祖父の家での出来事が、田んぼに紐づくように、何年経っても美しい思い出として胸に溢れてくる。

 

夏と言えばブルーベリーの収穫が楽しみになる。
ジューンベリーはあっという間に鳥に食べられてしまうのに、どう言う訳かブルーベリーはその被害が殆どない。
鳥の目にブルーベリーの色は見えにくいのか、はたまた口に合わないのか・・・なんて考えながら下から覗くと取りこぼしがないのでしゃがみこんで収穫するが、そのままムシャムシャ食べるのにはなんだか物足りず、かと言ってジャムにする程にもならず、もっぱら冷凍して貯めおき、週末スムージーにするのが夏の定番。
我が家の夏の御馳走♪

資材課 カ サ ギ

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